使節団員救出作戦
計画通り大川の橋で襲撃するため、戦馬達は川を渡った先の街道脇に待機させておき、自分達は橋桁の裏に隠れている。
ジェロだけは≪飛翔≫ですぐに移動ができるため、戦馬達の近くから帝国兵に囲まれた馬車群が到着するのを待っている。
『来たわね』
『やっぱり帝国兵が少ない気がするんだけど、やるしかない、よな』
適当な石を川に投げ入れる合図をしておき、橋の上に全員が乗ったところで、隊列の前後の帝国兵しかいないところには≪夜霧≫で視界を奪っておき、目標の馬車、ムラン伯爵、カルカイム子爵、ギャストル王子、モーネ王女の使用人たち用の馬車4台の塊の前後に≪石壁≫を作る。
その混乱の音でタイミングを知った仲間達が欄干を壊す魔法を適当に発動するのに合わせて、ジェロは川に≪氷壁≫をヴァルと一緒に作り、ニースコン側の川岸までの通路とする。
欄干が燃えたり壊されたりした後にはイド達が橋の上に上がり、近くにいる帝国兵達との戦闘に入る。ジェロは≪飛翔≫で射線を自由にできるので、馬車の影になる帝国兵達に対しても≪氷槍≫等で片付けて行く。
≪夜霧≫で混乱していた帝国兵達も落ち着き出す気配があったので、それぞれの霧の中に≪炎壁≫を撃ち込んでいく。ヴァルとハポリエルにも手当たり次第に帝国兵を殺して魂を奪うように指示してある。
「くそ!良いから手綱を寄越せ」
「エヴラウル!」
御者も単なる使用人ではなく帝国兵であったようで、手綱を奪い橋から降りるのに苦労しており、仲間達も何人か怪我を負い始めている。
「ポーションも遠慮なく使って!」
と声をかけるも、使用する余裕もなさそうで、ジェロが回復魔法を発動するものの、アルマティなど他の回復魔法の使い手は攻撃魔法の方で一杯一杯である。




