使節団員追跡
ゲンベランに戻る途中で、ハポリエルからヴァル経由でムラン伯爵達がニースコン側へ移動を始めたと連絡が入った。
『殺すだけならばゲンベランで殺すだろうし、既に殺していただろう』
『そうね、人質を預かっているだけなら手間と費用がかかるだけだから、身代金と交換に行くのかもよ』
『それならそれで安全かもしれないが、身代金を払われない場合はどうなるんだろう』
『まぁ戦争奴隷か、手間ならば殺されるか』
『だよな。何にせよ急ごう。ハポリエル、これからはイドを追跡しておいて』
『かしこまりました』
アルマティとゲンベランに到着した後は、何も知らぬ振りで帝国兵の拠点を見に行き見覚えのある馬車が無いことを確認する。その後はニースコンへの街道を走り、イドに指示していた魔法カードの簡略マークがところどころの木々に掘られていることを確認する。
「アルマティ、そろそろイド達に追いつくかもな」
「ジェロマン様へは私では護衛になっていませんので、早く皆さんと合流したいです」
「頼りにしているからそんなことないよ」
『あらあら、この子は赤くなっているわよ』
『だから、そんなことでからかうなよ』
『魔法の力もあるし、結婚相手はエルフのこの子でも良いと思うわよ』
『いや、奴隷契約の相手にそれはダメなんじゃない?』
『はぁ……』
そのまましばらく疾走していると前方にそれっぽい集団が見えてくる。速度を落として尾行するようにしながら、集団の様子をヴァルに見て来て貰う。
『見覚えのある使節団員達が拘束されて馬車に詰め込まれていたわ。貴族や官僚だけでなく使用人たちもね』
『え?そんな人数は入り切らない、いやそう言うことか。ご愁傷様だな……誰が生き残っているか分かった?』
『外交官のムラン、カルカイム。官僚と騎士団員も少し居そうだったけれど魔術師団員は見当たらなかったわ。重なって見えないだけかも』
『ありがとう……』




