囚われのモーネ王女
「ではモーネ王女殿下、皆さんの武器をおろさせて貰えますかな」
「わかりました。皆さん、お願いします。これ以上は」
オンハルト王太子、ギャストル王子達が逃げた後、王国騎士団員や王国魔術師団員が帝国兵からモーネ王女や非戦闘員を守りながら後退しようとしていたが、既に後ろにも帝国兵にまわり込まれて逃げ道は無い。
気がつけば従士も含めた騎士団員で動けているものは半数以下で、魔術師団員は真っ先に狙われたようで立っている者は居ない。本来は使用人でありながら武器を手に帝国兵に立ち向かった者もほとんどは倒れている。
使用人の女性達を人質にした帝国兵が王女に投降を呼びかけるのは少し遅かったぐらいかもしれない。
中途半端にオンハルト王太子が村を奪還したために、奪還し返すために集まった帝国兵がそのまま王太子を追いかけて来て使節団に押し付けられたため、通常時に街道で遭遇しうる帝国兵の数では無かった。さらにいつの間にか居なくなった護衛隊長のダンビエだけでなく、ルグミーヌ王国に行ったときの護衛隊長はギャストル王子に連れて行かれたこと、不意を突かれた混乱もある中で指揮官が不在で、非戦闘員が大量にいる使節団である。
逃げ切れるわけもなく全滅するのを回避するためには投降するしか無かった。
「乱暴にしないであげてください」
「ふん、王女殿下はお優しいことで。我々側もこいつらに何人も殺されているんですがね」
使節団側の死体から金目の物を奪い取り死体を街道の外に適当に放り込んでいるのを見たモーネが堪らず口にするが聞き入れられなかった。当然生き残った使節団員からも武器などは取り上げられ拘束されて馬車に押し込まれるのだが、傷の有無などお構い無しである。




