一人ぼっちのヒルデリン3
ルグミーヌ王国に一緒に行ったときの護衛隊長であったジュリユー準男爵から経緯を聞いたジェロではあるが、今後の行動に迷いがある。
「テルガニ子爵、救出作戦には是非とも自分を連れて行ってください!」
「私は、今は冒険者の立場でここにいます。ヒルデリン王子殿下がお呼びとのことで来ただけで救出作戦も何も。それにその指揮命令権もありません」
いつの間にかヒルデリンが近くに来ていて、ジェロの足に抱きつく。
「ジェロ、モーネ姉上を助けて。お願い」
と泣き出す。
一緒に部屋に来ていた領主のニースコン男爵とギルドマスターのアンセルムと目配せをして別室に移動する。ヒルデリンが一緒に来たがったが、ユゲット達に何とか預ける。
「私は冒険者として、こちらにヒルデリン王子殿下に顔を出す依頼を受けて来たつもりです。それがどなたの顔をつぶすことも無い最適解であると思って」
「はい、おっしゃる通りかと」
「その依頼達成の承認と報酬はどなたに頂けるのでしょうか」
「!。ヒルデリン王子殿下は現金をお持ちではありませんし、あのお歳です。代わりに依頼発出することになった領主の私が承認と立て替え払いを行います。王都に要求します」
「わかりました。先ほどのモーネ王女殿下を助けて欲しいというご依頼はいかがいたしましょうか」
「前回と同じく、代わりに依頼発出を行い、成功の際には王都の代わりに立て替え払いを行います!」
「ギルドマスターのアンセルムさん、それぞれの妥当な報酬額を依頼主もしくは代行の方と相談して頂いて良いでしょうか」
「はい、お任せください」
ヒルデリンの部屋に戻ったジェロは、ヒルデリンの目線に合わせるようにしゃがみ込む。
「ヒルデリン王子殿下、この金級冒険者のジェロマン・テルガニがモーネ王女殿下の救出を承りました。ご安心ください」
「ジェロ、ありがとう!お願いね、お願いね……」




