ガニーの街の惨状
『まだ持ち堪えているみたいだね』
と冒険者ギルドの状況を見て少しホッとしたところで、近くで女性の悲鳴が聞こえてくる。近くの家屋の扉を蹴破って中に入った兵士がいるようである。
その家の入口の前に降り立つと、中で女性を襲おうとしている兵士が2人。こちらを気にもしていないが、女性を巻き添えにしないために≪氷結≫ではなく≪氷槍≫をそれぞれの頭に対して発動し即死させておく。死体を放置するのも可哀想なので魔法の袋に収納してその家屋を後にする。
気がつけば街のあちこちから火の手があがるだけでなく悲鳴も聞こえている。道路の向こうの方では逃げ出て来た住民に兵士が切り掛かって住民が倒れたのが見える。遠すぎて人の判別までは出来ないが孤児の時から育った街なので知人の可能性もある。恐怖はどこかに行き怒りの方が優ってくる。
『ヴァル、ハポリエルを呼んで帝国兵を少しでも減らすのを手伝って貰って!』
『私たちは?』
『端からやっつけよう』
まず目に入った道路で住民に切りつけた兵士を≪火槍≫で倒す。次に冒険者ギルドの方に振り返り、ギルド前に溜まっていた兵士たちに強めの≪爆雷≫を発動し、ふらつく生き残りは刀で首を刎ねて行く。動く兵士が居なくなったところで、屋上や窓にいた元同僚のギルド職員に、中の冒険者達に街を救いに行くように声掛けを頼むと、≪飛翔≫で領主館前に飛んでいく。
領主館前でもまとまっている帝国兵には≪爆雷≫、個別では≪火槍≫などヴァルと手分けして殲滅する。帝国兵が居なくなったところで、呆気に取られている領兵にも、街の住民を救いに行くように頼むと街の上空に戻り、帝国兵を見つけるごとに始末しつつ、怪我人には回復魔法を発動してまわる。
何度目かわからない程、魔力回復ポーションを飲んで次の標的を探しているところで、燃え落ちた門の付近から≪氷槍≫が飛んでくる。




