ユゲット嬢とギャストル王子の企み
翌朝、王都ミューコンから来た使節団の中心メンバは再び領主館に集まることになっていた。ジェロがイドとレナルマンを連れ立って館に入るとすぐにユゲットとジャクロエが寄ってくる。
「テルガニ子爵、おはようございます。私達、モーネ王女殿下のお付きを他の者に交代して貰うことにしました」
「おはようございます。そうですか。やはりお父様のいらっしゃるこのモージャンにてお別れになりましたね」
「いいえ、そうではありません。これからはテルガニ子爵に付いて行かせて頂きます。以前の手紙だけでなく、今度は対面で両親にも許可を取りました」
「えぇ!いえ、そんな。私達は今モーネ王女殿下達の護衛業務ですから戦闘力が無い方々は……」
「あら私達は女騎士としての訓練も受けておりますので、その辺の初級冒険者より腕は立ちますよ。それに貴族の営みについてもご助言ができます。適任かと思いますが」
「そんなことを急に言われても……」
「おいそこ、何をしている!早く集まれ!」
いつもならば鬱陶しさを感じていた今回の護衛隊長であるダンビエの声も助け船と思って広間に移動する。
「良いところでしたのに……」
ユゲット達はまだ後任に交代しきれていないのか広間のモーネ王女達の後ろに控えるように移動する。
「揃ったか。この使節団の今後について発表する」
ギャストルがジェロ達の方を向いてニヤッと笑いながら話し始める。
「皆も昨日聞いていたように、モーネ王女は俺の婚約者となる。つまりこの使節団はコンヴィル王国とラーフェン王国の2国の外交であると言いつつも中身はコンヴィル王国の者だけとなる。つまりラーフェン王国のための護衛は不要となる。そう、テルガニ、お前は護衛として不要だ。ここでお役御免とする」




