ベルカイム王国への出発3
王都を出てパレードの正装から着替える休憩時、モーネがヒルデリンのところに戻ってきて、相手をしていたジェロにお礼を伝える。
「テルガニ子爵、ありがとうございました」
「モーネ王女殿下。ヒルデリン王子殿下は私たちよりテルガニ子爵の方が嬉しいようです」
ユゲット達が追従するような発言をするが、確かにジェロはヒルに懐かれているようである。
「おやモーネ王女、居なくなったと思えばこんなところに」
「はい、パレードも終わりましたので私達に頂きました馬車に戻って参りました」
「行程中ずっと私の馬車でも良いのだがな」
「いえそこまでは……」
『嫌とは言えない立場よね』
『そうだよな』
ジェロは少し離れて控えていたのだが、近くにいたユゲット達に目がいったようである。
「ほぉ、そちらの使用人達はコンヴィル王国からの手配かな?今夜、私のところへ来るように」
「ギャストル王子殿下、彼女達はこれから向かうモージャン領主の令嬢達ですので……」
同行していた官僚達がささやくと、ギャストルは不機嫌になる。
「そうか、ならば」
と周りを見回し、近くにいたアルマティとリスチーヌに目をつける。
「あの娘とあの娘を連れて来い」
「王子殿下、あの者達は私の家臣でモーネ王女殿下達の護衛でございますので」
「お前は誰だ?」
「は、子爵のジェロマン・テルガニにございます」
「子爵風情が王子の俺に口答えするのか!?」
「ギャストル王子殿下、彼らには私たちがずっと助けて貰って来まして。どうか護衛を引き続き……」
「モーネ王女が言うのであれば。しかしテルガニ、覚えておけよ」
「は」




