拠点検討
冒険者ギルドについたマドロールたちは受付で訓練場の使用許可を貰うのと併せて、マドロールの所属が魔術師団長のラロシェル侯爵家からテルガニ子爵家に変わったことも報告しておく。
近接武器の訓練場で、マドロールは使用武器である短剣の木剣を借り、素振りの披露後は同じく短剣を使用するリスチーヌと模擬戦をする。
「なかなかやるわね。あなたも斥候タイプだったのね」
「はい、屋内で大きな武器は邪魔になりますので短剣の訓練が中心でした」
「執事業務をするならジェロ様と一緒のことも増えるわよね。しっかりお守りしてね」
「もちろんです」
冒険者ギルドの後は、マドロールがラロシェル侯爵の屋敷へ挨拶と荷物を取りに行く際にリスチーヌ達も同行し、いったんはリスチーヌの魔法の袋に色々な物を収納する。そして、ジェロから言われていたようにアナトマ商会へ正装の注文も行っておく。
マドロール達と別行動していたジェロたちが宿屋に戻ったところ、王城からの招聘の使者が来ていた。何事かと思いながら登城したところ官僚から切り出される。
「テルガニ子爵、拠点の決定をお願いします」
「え?」
「王国貴族、しかも子爵になられたのにいつまでも本拠を持たず、冒険者ギルド経由もしくは宿屋を探すことになるのは業務に差し支えます」
「叙爵、陞爵されても王都を含めたどこかの拠点に長時間いることも無かったのですが」
「事情は理解できますが、王国貴族の体面ということもお考え下さい」
「はい……」
「子爵ともなれば王都に屋敷を構えることは普通です。例え領地があり、めったに王都に来なくても貴族同士の交流のためにも必要となります。ましてテルガニ子爵は法衣貴族ですので拠点が王都にあることは自然なことかと。そのための支度金でもありますので」
「わかりました……」




