王国魔術師団へ帰還報告2
「テルガニ子爵、流石ですね。以前よりさらに威力が格段に向上していますね」
とのラロシェル魔術師団長の声の後、次の使節団員となる3人がそれぞれ自身の最大攻撃力の魔法を発動していく。グリニオン、トーバック、マンデーズの順に≪火炎≫≪火炎≫≪氷結≫が披露されていく。いずれも魔法陣は使用していないが、触媒と詠唱を使用していた。
ジェロたちとだけ応接室に戻り、団長が話を続ける。
「テルガニ子爵には見劣りしてしまいますが、あの3人、元々人数が少ない王国魔術師団でも優秀な方でして。ムスターデ帝国との戦線を踏まえると送り出してしまうと残存戦力が不安になるところもありますが、我々にも体面というものがありまして」
「はぁ」
「正直、テルガニ子爵家が異常であること、ご認識されていますか?」
「え?」
「子爵ご自身もそうですが、家臣の皆さんが急に魔法使いになられて、しかも中級までばかりとか。繰り返しですが異常です。国家的脅威になりえます。他から目をつけられますよ。それにご自身も平民から急に子爵にまで陞爵されて隙だらけ、今のうちに良いように取り込んでやろうと企むものがたくさんいること、聞こえてきております」
「そうでしたか。家臣たちにも特別なことはしていないつもりですが。イメージをつかみやすく実践して見せる、スクロールや魔法カードで体験させる、触媒で魔力交換を効率化させるぐらいですよ。後は魔術語や魔法陣の指導など」
「何ですと!確かに目から鱗ですね。王国魔術師団でもスクロールや魔法カード以外のことは順次しておりましたが。なるほど体験ですか。これはますますお礼をはずまねば」
「え?」
「ところで、倒された魔人と吸血鬼の死体をルグミーヌの王国魔術師団へお譲りになられたとか。残念です」
「申し訳ありません」
「いえ、その返礼で王級魔法の魔導書をご覧になられたとか。我々も負けておられません。まずはこの者を」
団長の横で執務をしていた女性が立ち上がる。




