魔人セパル2
アリジズは霧やコウモリになる前提だからか、衣服以外にめぼしい物は身に着けていなかったが、セパルはローブの下に腰袋などがあった他、部屋の机にも色々と興味深いものがありそうであった。
ジェロの興味がそちらに移ったのを見たレナルマンが声をかける。
「ジェロ様はこの部屋でお休みください。館の中は我々が探索してきますので」
「あぁ、ありがとう。念のために用心してね」
『ハポリエル、念のためについて行ってあげて』
セパルが持っていた腰袋は魔法の収納袋であったようで、調べてみると3m×3m×3mの≪拡張≫タイプであった。中には金銭以外にいくつかのポーションと、≪簡易鑑定≫でも何らかの効果がありそうな短剣、そして2冊の魔導書であった。片方は教科書的な物であったが、もう片方は研究ノートのようであった。
『どちらも死霊魔法のようね。彼の研究なのね』
『え?知的な興味はあるけれど、なかなか使いどころが難しそうだね』
『短剣は何か危なそうよ。刃を触らないように気をつけて扱ってね』
『うわ、鑑定してもらうしか無いね』
机にあったのは帝国軍とのやり取りだけでなく、この国の王城とのやり取りの手紙であった。さっと見た感じ、王城に対して脅迫していたように見える。
これ以上はまたゆっくり確認することにして、魔人とヴァンパイアの遺体と共に、付近の書類をすべて魔法の収納にしまい、イドたちの後を追いかける。
廊下を歩いて玄関前の広間に降りて行こうとしたところで声がかかる。
「ジェロマン様、こちらへお越しください!」
声がしたのが地下室のようなのでそちらに向かう。




