王都出発
この度のルグミーヌ王国へ向けたコンヴィル王国とラーフェン王国の2国合同の使節団が王城を出て王都の街中を通って城門を出ていく。
これからコンヴィル王国はラーフェン王国と協力してムスターデ帝国との戦に臨むということもあり、国民の士気高揚の意味もあり事前に大々的に宣伝されていた出発である。
王城から城門までの大通りの両側には王都の民が押し寄せている。
「あれがラーフェン王国の王女様か。なんと麗しい!」
「いやいや、やはり我らがコンヴィル王国の騎士団の凛々しいこと!」
「ムスターデ帝国って軍事大国だが大丈夫なのか?ラーフェン王国もかなりやられたと聞いているぞ」
「何を言う、ルグミーヌ王国の協力を得るためにこの使節団も行くんだから大丈夫だろうよ」
「あの4頭立ての黒塗りの馬車、えらく立派だな」
とアナトマが聞けば喜ぶような声も混ざっているが、やはり戦争を控えた興奮や不安もあるようである。
ジェロは馬車の窓のカーテンを開けるように指示を受けていたため、こんな大人数の視線の中を通る緊張でいっぱいいっぱいになり、他者の声や様子などを見る余裕は無かった。とは言うものの、ジェロほど繊細ではないイドたちもこれほどの晴れ舞台の主役の一人になった経験はなく、それぞれなりの緊張をしてひたすら城門を出るまで進むことだけを考えていた。
一方、モーネ王女はコンヴィル王国による協力を何としても得る必要があるとの認識もある上に、自国でも十分経験をしていたことであるので、開けた窓の中で軽く手をあげて観客たちに答える対応をそつなくこなす。




