使節団の顔合わせ3
形式的な顔合わせが終わった後、馬車に移動することになったが、ジェロがモーネ王女、ヒル王子に近づく。
「改めて、またどうぞよろしくお願いいたします」
「ジェロマン男爵、こちらこそ頼りにしています。またお助け下さいね」
「ジェロ、またお願いね」
モーネとヒルから親しげに返事を貰える。
「テルガニ男爵、引き続きどうぞよろしくお願いいたします」
ユゲットがジェロに挨拶して来る。
「ユゲット様、びっくりしました。てっきりモージャンに戻られるのかと」
「官僚の方にモージャンへの配達をお願いした手紙の中で父には通知済みでございます。ジェロマン様が男爵に叙爵されたことと併せてジェロマン様に引っ付いて行くと」
「え?」
「王女殿下たちの護衛になられて王都を離れられること、我々にお教えに来て下さらなかったのは残念ですが、機密情報の漏洩防止のためにはと理解して我慢しました。まぁある程度の想像はされましたので、伝手で王女殿下たちの付き人にして貰っていました」
「えぇ?」
『あらあら、なかなか積極的な子がここにも』
『そんなに男爵当主って価値があるのか……』
「ではまた長旅を共に、よろしくお願いいたします」
一般的には美人の素敵な笑顔だが、ジェロにとってはその後ろが怖い笑顔で去っていくユゲットにまともに答えることできずに固まったまま見送る。
その二人の様子を少し離れたところでジッとクロヴォンが見ている。
一方、馬車の付近で待っているイドたちはジェロとあらかじめ準備していた行動に移っていた。昨日、王都で購入していた素材、薬瓶、薬研などを使ってジェロが調合した傷回復薬、ポーションを手土産に挨拶にまわったのである。




