戦馬バトルホース
皆での魔法訓練の翌朝、ジェロたちは5泊した宿を出て、冒険者ギルドでザールに別れの挨拶をし、
「ギルドのために頑張って来い」
との言葉を貰う。その後、アナトマ達に別れを告げるのと併せて馬車と馬を引き取りに行く。
「なんだ、この馬たちは」
イドたちですら驚くぐらい立派な体格の馬たちが揃えられていた。馬車も黒塗りにテルガニ男爵家の紋章をあしらい見るからに上等な物であった。
「アナトマさん、こんな立派な。ありがとうございます!」
「ジェロマン・テルガニ男爵の門出ですから。王都を出る際には王都民に囲まれた出発となるはずです。ジェロマン様に格好悪いことをさせられませんから。よしみを頂いている我が商会の見栄でもあります。あれはどこの商会が?と噂になれば商売につながります!」
照れ隠しも兼ねての発言であると理解の上で素直に感謝する。
「実はこちらの馬たちはバトルホースという魔物ですので、従魔契約の方をお願いします」
「アナトマさんのご紹介ですので選びに選んだ戦馬たちです。魔物としてのランクはCですので、そこら辺の魔物には負けませんし、御者無しでも馬車を引けるぐらいには我々の言葉を理解できる知能もあります。また魔物ですので通常の草だけでなく肉も食べる雑食になります」
従魔屋も連れて来てくれていて、ジェロを主とした従魔契約を順に行っていく。首元に従魔の証をぶら下げており、それを使用した契約魔法のようである。
『ヴァルは、この魔法も使える?』
『契約魔法の一種だけど、私は使ったことないわ』
『これも使えるようになると便利だろうな』
用意された馬は人数7人と馬車用2頭で合計9頭である。馬車は2頭立てあるが、ジェロと御者の2人が馬車に乗り騎乗しない場合にそれらの馬も馬車を引くことまで想定した4頭立てにも対応できる。
「もうこちらで正装をお召しになって登城なさってください」
との言葉に従い着替え、諸々でお世話になった分も含めた支払いをして、アナトマとリリアーヌの父娘に別れの挨拶をする。
今回は両手剣という重い武器を持つコンスタンを御者に選び王城に向かう。




