男爵叙爵3
「流石に男爵は金貨50枚か。騎士爵は10枚だから従者なども2人程度と言われたよ」
官僚が居なくなったところでザールが発言してくる。
「どうされたのですか?」
「俺は戦闘力を求められる立場では無かったから従士とかではなく執事と家政婦を雇うことにしたぞ。ジェロマン様は一緒に戦える従士も必要になるんじゃないかな」
「ジェロマン様、我々“ジェロ班”の6人をどうぞ!」
「いいえ、皆さんは冒険者ギルドの冒険者でしょ!私の家臣になるのはダメでしょう?」
「いや、従士ならば戦闘力を鍛えるのと賃金以上の生活費を確保するために冒険者になっている者はたくさんいるのはギルド職員のお前なら知っているだろう?いえ、ご存じでしょう?」
「はい……」
『あら、若くてかわいい家政婦ばかりを考えたのかしら?』
『そんな発想なんて無かったよ!』
「ジェロマン様、男爵家ともなると他の貴族のことも良く知る執事も必要になると思います。もしよろしければ我がモージャン子爵家でご紹介させて頂きます。家名や紋章のご検討にもご協力させて頂きます」
「ジェロマン様、我がタンプ騎士爵家ではそのような伝手はございませんのでよろしいかと」
「ザールさん!」
「冗談ですよ。ただこれからドタバタするのが分かっている中で、頼らせてもらえる相手が居るならば甘えさせてもらうのが正解と思いますよ。もちろんモージャン子爵家なりの打算もあるのは理解して」
「ザール様、打算だなど。よしみを深めたいだけでございます」
「ま、今の段階ならそんなもんだろうな。それよりそろそろ王城から退出し、言葉にあまえてモージャン子爵家に向かった方が良いんじゃないか?誰かが面識を求めてやってくるかもしれないですよ、ジェロマン男爵」




