コンヴィル国王御前
待合室で合流してすぐに呼び出しの案内が来る。
「皆さま、こちらへどうぞ」
ジェロたちは廊下の絨毯の柔らかさに驚きながら恐る恐る皆の後ろについて行き、指示された通り大扉からは俯いたまま入室し、前に進んで膝をつく。
「ラーフェン王国のモーネ王女とヒルデリン王子かな。モーネ王女はすっかり美しくなられた」
『王女達は俯いていないから顔を見られるのかな』
『そうね、二人は立っているわね』
「ラーフェン国王のことは聞きおよんでいる。ご愁傷様と言わせて貰おう」
「かたじけのうございます」
「我が王都まで良く無事に到着された」
「コンヴィル国王陛下、お願いがございます!」
「モーネ王女、話には順番という物がある。少し待てるかな」
「はい、失礼いたしました」
「さて、宰相ボーヴリー。ここに並ぶ皆にも分かるように状況を説明して貰えるかな」
「は、ルネスラン国王陛下。かしこまりました」
『大広間の両側に着飾った貴族たちがたくさん居るわよ』
『今さらだけど顔をあげないで済ませたい……』
宰相がかいつまんで話を始める。
ムスターデ帝国がラーフェン王国に攻め入り、魔人の協力を得てラーフェン国王を殺害し王都を陥落させたこと。幸いに王太子、王女、第2王子はいずれもコンヴィル王国に脱出でき、ここにいる2人以外の王太子はモージャンに居ること。コンヴィル王国も他人ごとではなく、モージャンにおいて魔人たちが後方撹乱のためにスタンピードを発生させていたこと、今回の王女達が王都に来る途上でも魔人の襲撃があったこと。
途中では、魔人のことなど、すべての貴族までは知り得ていなかったであろうことまで触れるので、そのたびに貴族たちから驚愕の声が漏れてくる。
『こんなことまで皆に伝えるということは、国王の意思も決まっているのかな』
『そういうことなんでしょうね』




