王都到着2
王女達を連れて王都に到着した後、モージャン子爵の館に着いたところでユゲット達の素性の説明がされる。
「王女達を王都にお連れするのに、騎士団では目立ちすぎて安全ではありませんので、商隊に装うことにしたのは皆さんもご存じのとおりです。ただそれでは王女の身の回りのことや王都に到着後の王城への対応などに不都合があると想定されたので、モージャン子爵はご息女のユゲット様を同行させられることにしたのです。私ジャクロエはユゲット様の側仕えです。たまたま二人揃って女騎士の鍛錬はしていたので偽装には相応しいとされました」
「アナトマさんは領主館にも出入りされる商人ですのでお気づきでしたよね?」
「はい、もちろんですが、意図も理解しておりましたので触れませんでした。道中のご無礼、申し訳ありませんでした」
「いえ、その振る舞い、感謝します」
ユゲットとアナトマの会話を聞いたリリアーヌを含めたアナトマ商会のメンバや、ジェロたち冒険者は無礼が無かったかを振り返る。その顔をみたユゲットは
「皆さんも私たちを女騎士と思っていたようで、特に失礼という話はありませんでしたよ」
と笑ってくれる。
「王女様たちもお付き合い頂きましてありがとうございました」
「はい、私たちはお世話になっていた館の領主ご家族ですから最初から認識しておりましたが、逆に私たちの護衛のために申し訳ありませんでした」
「いえ、それもここまで。無事に王都にお連れできたのはここにいるジェロマンさん達のおかげです。子爵家を代表してお礼を申し上げます。依頼完了書にはすでにサインをしておりますし、添状もこちらに。これで報酬をお受け取りください」
「は、ありがとうございます。では我々はここで失礼しますね。皆様、王城で首尾よくお話が進みますようにお祈りしております」
「あら、そのような認識ですのね。王都滞在の間はこの館をご利用頂いて良かったのですが。まぁ結構ですわ。どうぞ冒険者ギルドにお向かいください」
「は、失礼します」
ジェロはユゲットの発言の真意がわからないまま、“ジェロ班”の冒険者6人、アナトマ商会の5人とともに退室する。




