魔人との交渉3
焚火近くで座り込んだジェロは、戦闘の後の休憩をしているように見えるため、皆からはそっとされている。
『ジェロ、せっかく女性たちと仲良くなる機会だったのに』
『その前の魔人に対する虚勢でもういっぱいだから、そんな余裕は無いよ』
『……』
『それよりも急に念話をつなぐなよ』
『まぁ結果は良かったでしょ?』
『良かったのかな……。そうだ、別の悪魔との契約だとか外部記憶がどうとか』
『そうね、ジェロが魔法の習得が早かったりたくさん覚えられたりするの、実は私との契約のおかげでもあるのよね』
『え?魔術語を教わったり見本を見せて貰ったりしているだけでなく?』
『そう。ジェロの場合は前世記憶があって一般人よりいろいろな知識もあってイメージする力が強いこと、私という魔術語などの教師がいること以外に、契約で繋がった私が居るのもあるの。魔術語や魔法陣を覚えきられずに魔導書を持ち歩いている者が居るのはそういう理由なの』
『そうだったんだ。ヴァル、改めてありがとうね』
『契約悪魔の力が低いと、自身が使える魔法も少ないし外部記憶にできる量も少ないから、複数の悪魔と契約するメリットがある場合もあるわ』
『当然ヴァルは普通では無いから、俺にはハポリエルとかいう悪魔は要るのかな』
『ちょっとハポリエルと話すから、小石に血を垂らしてみて』
『我を呼ぶものは何者か、って、お前はヘモスを殺した魔法使い!』
ヴァルと同じような大きさで、コウモリのような翼を背中に浮かんでいるのも同じだが、ヴァルが美女であったようにハポリエルが美男というのではなく、あまり特徴のない男性の悪魔であった。
『ちょっと私とお話ししましょうか』
どうもヴァルがハポリエルと二人だけで会話に入ったようで放置されるジェロ。




