合同コンパ
その夜、ヴィクシムがジェロ以外にバスチャンも誘って飲み屋に行くことに。
「ジェロ、悪気はなかったんだ。結果的に俺の休みが取りやすいなどマスター達は考えてくれたが、ジェロに魔導書を渡したときにはそこまで考えて無かったんだ。本当だ」
「私は新しい魔法を覚えられたのですから全く問題ないですよ」
「そうか!まぁ今日はお詫びと習得祝いも兼ねて俺の奢りだ。そしてバスチャンも呼んだのは訳がある!さぁ御三方どうぞ!」
若い女性3人が近くのテーブルで待機していたようで、同じテーブルに移動してくる。
「ブリジョゼです。私たちはヴィクシムさんを窓口に冒険者ギルドと取引をさせて頂いている商会職員です。よろしくお願いします」
「ジェリーヌです。今日はお誘いありがとうございます」
「エマニックです……」
それぞれ、しっかりしている知的な美人、妖艶、大人しいかわいい感じである。
「おぉ!よろしくお願いします!バスチャンです!」
「ジェロマンです。よろしくお願いします……」
バスチャンはまさに体育会系らしく立ち上がって大きな声で挨拶をできたが、ジェロはうつむきがちに何とか声を出せたぐらいで終わってしまった。
前世のぼんやりした記憶でも、合同コンパ、合コンは若い男女の出会いの場として多用されていた。それこそ前世のようなインターネットのオンラインの出会いがないこの世界では、実際に顔を合わせる機会がない限り自由恋愛による男女交際、結婚に繋がることはない。
結婚願望があるジェロのことを思っての先輩ヴィクシムの計らいであることは感謝するが突然であり、女性対応に身構えてしまうジェロには戸惑いしかない。
「そして私はご存知、ヴィクシムです。ヤンクイユ商会の美女3人、今日はようこそ!」
『ジェロ、ヤンクイユ商会って……』
『あぁ。ヴァル、お願いだ、余計に思考が混乱するから話しかけないでくれ。頼む……』




