帰還準備
ガニーの街に所属している冒険者、ギルド職員たちが懇親を深めた翌日、さっそくガニーに戻るための準備を進めている。
ニースコンから後から来たメオンたちは王太子とともに騎乗して来た馬があるが、ジェロたちは馬車や馬を途中で無くしているので、ガニーまでの移動手段が無い。馬車で2日の距離であり何の手配もなく徒歩で向かうには距離がある。いつメオンたちと合流できるかも不明であったため、馬車の手配はこれからになる。メオンたちが騎乗して来た馬もニースコンに戻すべき馬たちではあるので、ガニーから返すよりはジェロたちと同じ馬車に乗ることで、このモージャンからニースコンに返す方が楽であり、結局は冒険者15人とギルド職員2人の分の馬車の手配をすることになった。
途中の食糧の手当ても含めて翌朝に出発できる手はずを整えた後は、各々モージャンでの自由行動の日となった。
『今日はどうするの?図書館?魔道具の店?』
『うーん、メオンさんたちを待っている間にある程度は行けたからなぁ』
「ジェロさん!モージャン最後の記念にダンジョンに行きましょうよ!」
リスチーヌが誘ってくる。
「いや、さすがに半日程度ではたいしたところには行けずに帰ってくることになるのでは」
「そっかー、残念。せっかく私の故郷モージャンのダンジョンをご案内したかったのに」
「ははは、また機会があれば……」
「絶対ですよ」
『これって前にジェロが言っていたフラグって奴?』
『って発言がフラグなんだよ……』
これ以上ダンジョンに誘われないように図書館に逃げて、未修得の魔法を探すことにしたジェロ。
『とは言うものの、次はどの辺りに進もうかな』
『そうね、風や土属性の中級辺りに広げたら面白いかもよ。≪消音≫≪土壁≫など』
『了解、探してみよう』




