再びのオークダンジョン
帝国の追手を撒くためにオークダンジョンに行くことを提案し、以前に一緒に最奥まで行った冒険者達は成程と同意するが、王女達は難色を示す。
「確かに不安はあるかと思いますが、このままモージャンの街に向かう方がリスクありと考えます」
とレナルマンが説得する。
「じゃあ、元々モージャンの冒険者だったリスチーヌがここから案内します」
と、モージャンの街に向かうメイン街道ではなくダンジョンに向かう森の中の道に進むことにする。
もっとこちらの数が少ないと魔物達が出て来たかもしれないが、9頭の騎馬集団が駆けており、もう少しでダンジョンというところまでは無事に辿り着く。
「もう少し進むと以前からのダンジョン、そして目的のオークダンジョンになります」
リスチーヌが説明した後に、ヴァルに教えられたジェロが状況を共有する。
「先ほどよりも多い、おそらく帝国兵と思われる馬の集団が迫っているようです」
「とにかくダンジョンに逃げ込むように急ごう」
イドの声に従いそれぞれが足を速める。
オークダンジョンの前には「立入禁止」と札が立てられていたが、その近くに馬を乗り捨ててダンジョンに駆け込む。ダンジョンへの侵入を予定していなかったので松明は無いが、ジェロが≪灯り≫の魔法を集団の前後に発動する。
まだ3歳の王子は騎士2人が交代で背負うことにし、自分で歩く王女と合わせて集団の真ん中を歩いて貰う。
「本当に大丈夫なのでしょうか?」
いよいよ口調が素に戻ってしまったような王女が問いかけてくるが、
「我々7人は最奥まで行ったチームですから」
とイドが胸を張って答える。




