ノルトブルクでの騒動
「俺たちが誰か分かっているのか?」
高級店で食事をしているところで、帝国軍の男3人に声をかけられたヴァルたちがつれない返事をするので、いっそう低い声で圧力をかけてくる。
仕方ないと心の中でため息をつきながら、しかしいまだに小心者なのでドキドキしながら立ち上がるジェロ。
「今、同行者たちが申し上げたように、我々はこの店で食事をしているところです。どなたかは存じませぬが、このまま捨て置いていただけないでしょうか」
「こんな美女を見知らないわけがない。お前たちこの街に来たばかりだろう?だから知らぬかしれんが、俺たちはこの街をまもる帝国軍騎士団の者だ。素直に言うことを聞け」
「この街をまもるとおっしゃいますが、街をまもられているのは衛兵の皆様ではないのですか?この街の治安を脅かすご発言、衛兵の方にご相談させていただきましょう」
「は?衛兵?あいつらは俺たち騎士団の指揮下だ。その騎士団の俺たちの言うことを聞けないと言うのか?」
「さようでございましたか。では衛兵の詰所にでも向かいましょう。これ以上は食事も楽しめないようですので」
「店主、食事は良かったが、客層は選んだ方が良いと思うぞ」
多めの貨幣を支払いしつつ挑発を続けるジェロ。
仲間の方にだけは「怖いから助けて」という顔をしつつ、声や態度は演技を続ける。
「な!」
掴み掛かろうとした手をすり抜けて、仲間たちと一緒に店舗の外に出るジェロ。
その後ろから騎士団と名乗った男たち3人も追いかけてくる。
店の横に停めていた戦馬に騎乗した4人は、昼間に見かけた衛兵の詰所の方に向かい出す。
騎士団と名乗った男たちも大声を出しながら自分の馬に跨り追いかけてくる。




