ノルトブルクの調査準備3
一応は魔術師団のカステルに国境を越えてノルトブルクの街をみてくる旨を伝えてはある。
高級宿に居ない日の分までたくさん払うことに耐えられないジェロの意見を尊重して、宿は引き払ってある。
「それにしても、この辺りもかなり広大な農地ですね」
「本当に、ここを焼き払ったらどれだけの人が食糧不足になるのか」
「それだけ帝国軍のダメージにもなるはずですが、皇国も帝国もそれは避けて来たというのですから、微妙な関係ですよね」
「片方がやるとやり返すことになって、双方に餓死者が大量に出ることになることを避けるためだよね。この規模を見ると分からなくもないね」
国境より北のユニオール皇国のロゾニアの近くと同様に、国境より南のムスターデ帝国側も先が見えないほどの農地である。流石に≪飛翔≫で上空から見渡すのは見つかると面倒なので、地上で戦馬に乗って移動しているため余計に近くの農地しか見えない。
「あれがノルトブルクか」
「確かに頑丈そうな城壁ですね」
こちらもロゾニアのように、激しい戦線に近い街らしく、遠目にも強固な造りであることが分かる街である。
「冒険者に憧れた坊ちゃんの付き添いなんです。今はラーフェン王国とムスターデ帝国の戦も落ち着いたようですので、今のうちにとのワガママで……」
リスチーヌが4人分の身分証を衛兵に見せながら、街に入る検査を受けている。
「そうか。確かに金持ちでもなければこんな美人3人と戦馬……いや、お前も大変そうだな」
「そうなんですよ、あの2人と見比べられると……」
女性3人の顔を見比べた衛兵の失礼な発言に対しても、そつなく答えるリスチーヌ。
確かにエルフのアルマティと悪魔のヴァルに比べると見劣りすると日頃から自覚しているが、それを顔には出さない。




