ノルトブルクの調査準備
「ジェロ様、これからどうするのですか?」
ムスターデ帝国の金鉱山で、死傷者を出さないようにドラゴンのブレスを使用してきたジェロたち。
ロゾニアの街に戻り、カステル中佐に報告した後は宿でくつろいでいる。
「資材の運搬の後は、このロゾニアで後方支援するような依頼だったんだよな」
「実際に何をするかは現地を見て、と思っていましたが」
「とりあえず、武闘派が帝国軍と内通してこの街を奪うのは、いったんは回避できたかな」
「そうですね、銀鉱山と金鉱山でのドラゴンブレスは帝国軍も警戒しますよね」
「ジョエルたちはそのまま金鉱山の山脈の向こうの方で狩りでもするように言って来たしね」
「ノルトブルクの街にでも行ってみる?」
ヴァルの発言にジェロとリスチーヌが驚く。
「でも、ムスターデ帝国の街だよね。この国境を越えた向こう側で近いかもしれないけれど」
「前にもミュンハーフェンの街に潜入したこともあったじゃない」
「それは……」
確かにカステルからも特に何を頼まれているわけでもない。
ここのロゾニアでの後方支援をするといっても、状況に関してあまりにも知らないことが多い。
「でも、潜入するにも身分証明をどうしようか」
「確かに他国の貴族や冒険者ギルド職員の証は使えないでしょうし、Sランク冒険者も目立ちすぎますよね」
「もう一つ、冒険者登録するのはいかがでしょうか?」
「!」
アルマティが提案してきた方法は、確かに抜け穴ではある。もともと荒くれ者たちを有効活用するための冒険者登録制度でもあるので、それまでの素性の確認なく登録できる。
冒険者ギルド職員であったジェロはもちろん認識している。厳しい罰則があるわけではなく、単に成績が合算されない不都合がある程度である。




