ベルナールの作戦3
「ベルナール様、金鉱山でもブレスの焼き払いを行ったとテルガニ殿から報告がありました」
ロゾニアの代官屋敷で、ジェロから話を聞いた魔術師団のカステル中佐が代官ベルナールに報告している。
「やはり帝国側に死傷者は出さないようにしたのか?」
「はい、そのようです」
「もったいないが、贅沢は言えないな。しかし、これで帝国側も混乱するだろうな」
「国境向こうのノルトブルクの街にも狼煙で連絡が行ったと思いますが、その後の早馬が到着するまでは何のことか分からないのではないかと」
「うちの銀鉱山のときと同じだな。いや、その後に実態を聞けたうちとは違うか」
「はい、早馬が到着してもドラゴンのブレスで焼かれたことしか分からないはずですので」
「まぁ、これで帝国軍に武闘派が内通するのも少し難しくなったはずだな」
「ノルトブルクには銀鉱山から撤退して来た騎兵も報告しているはずです。銀鉱山、金鉱山のそれぞれでドラゴンのブレスとなると、偶然とは思わないでしょう」
「帝国に対する攻撃と思うだろうな。死傷者が出ないところに疑問はあるだろうが」
「このことはナタンには言わないように、な」
「は」
「あいつにも帝国と同様に混乱させておこう」
武闘派で帝国に内通していた騎士団のナタン・ペリノー中佐が、銀鉱山のドラゴンの背景も不明なまま、金鉱山のことを知らない状態であれば帝国軍との調整も難航するはずである。
「いったんはこのロゾニアの街を帝国に引き渡される懸念を回避できたということか」
「は、ベルナール様の作戦の通りに」
「しかし、この後はどうしたものか……」




