ベルナールの作戦
「……陛下たちにこのロゾニアが不安、支援が必要と思わせたのは悔しい限りだが、結果としては助かるな。上手く活用して名誉挽回しなくては」
ロゾニアの代官であるアルノー・ベルナール。
武闘派の騎士団ナタン・ペリノー中佐がムスターデ帝国に通じて、ユニオール皇国を裏切る行動に出ていることを知り、ロゾニアの街を帝国軍に渡さないようにどうすれば良いか、知恵を絞る。
「武闘派は帝国軍と手を結びたいならば、今は帝国と戦闘行為に入りたくないはずだよな」
「そうですね」
魔術師団クレマン・カステル中佐がベルナールの思考に付き合う。
「帝国軍と交戦状態に入れば、帝国側も武闘派の話が疑わしくなるよな」
「はい。銀鉱山で帝国軍は無駄足を踏まされたところですし」
「よし、そのガニーの英雄殿に帝国軍に攻撃させるのはどうだ?」
「は、彼は3カ国の侯爵の立場もあるので、前線で戦闘行為をするのは避けようとしているみたいです。後方支援をするために来たSランク冒険者であると宣言しています」
「そうなのか……魔術師団員だけで前線での攻撃を開始すると、まずいよな……」
「はい、数の少ない魔法使いだけですと、一方的に帝国軍にやられてしまい、ここの防衛力に影響が出てしまうかと」
「やはり騎士団と魔術師団は役割分担をして同時に機能させないと、きちんと連携できる帝国軍にはやられてしまうよな」
「そうなるかと」
「いっそ、金鉱山でも敵兵に被害が出ない程度にブレスで焼き払うというのはどうだ?」
「なるほど。それでしたら、相談の余地があるかもしれないですね」
ベルナールとカステルが、ジェロたち本人が居ないところで作戦を詰めていく。




