銀鉱山での騒動2
銀鉱山で、ドラゴンのブレスを使って帝国軍を追い払ったこと自体には感謝というカステルの言い方が気になる。
「どうしたのでしょうか?何かやってしまいましたか?」
「いえ。きちんとこちらの事情をお伝えしていなかったのが悪かったのです。申し訳ありません」
「とおっしゃると?」
「武闘派がユニオール皇国を裏切る明確な証拠を掴もうとしていました。帝国軍を手引きして銀鉱山を譲り渡したとなると言い逃れのできない証拠になると泳がせていたのです」
「あ!その邪魔をしてしまったと……申し訳ありません」
「いえ、本来でしたら帝国に鉱山を渡したくありません。ただ、このロゾニアにおける騎士団と魔術師団の力の差を踏まえると、彼らの行動を阻止することはできそうに無いため、その裏切りの証跡を掴もうとしていたのです」
「……今回、あの鉱山からの狼煙でどのようなことがこの街に伝わったのでしょうか?」
「異常事態発生と作戦失敗という2つのことが伝わりました。時期的にテルガニ殿が関係していると推測されましたし、その上でご来訪の連絡を受けましたので確信に変わりました」
「代官や騎士団にはどのように報告されますか?」
「ドラゴンがテルガニ殿の命令であったことを知る者はここの一部だけです。そろそろ鉱山からの早馬も到着するでしょうし、どうしたら良いものか……」
「では、ドラゴンの機嫌が悪かったのだろう、人的被害が無かったのであれば良かった、というのではいかがでしょうか?それこそ防衛を減らそうとしている騎士団への嫌味も含めて」
「そうですね。いったんは彼らの動きを様子見しましょうか。私としても武闘派と決着をつけたいわけではなく、帝国から皇国を守りたいのが一番ですので」




