銀鉱山での騒動
「あれって、狼煙ですよね?」
ブレスで山肌を焼いたドラゴンたちには、もっと遠くの西方に離れて待機するように命令した上で、自分たちは≪飛翔≫で戦馬たちのところに戻るところである。
銀鉱山の場所と思われるところから何か狼煙が上がったようで、おそらくそれはロゾニアに向けた連絡であると思われる。
「どういう意味だろうね。まさかドラゴンが山を焼くなんて合図は無いだろうし」
「鉱山が襲撃を受けた、では正しく無いですし、武闘派が帝国に鉱山引渡しの作戦失敗とでも?まぁ想像しても分からないですね」
急いでロゾニアの城門まで戦馬で駆けつけると、衛兵は何かに緊張している様子にも見えるが、特に何を言われることなく街には入れて貰える。
「宿に戻るより前にカステル中佐のところですよね?」
そのまま街の中心部に行き、魔術師団の拠点に入る。
「テルガニ殿、何をされたのですか!?」
「え?」
昨日と同じ応接室で待っていると、カステルが入るなりに聞いてくる。
何が伝わっているか分からないが、とりあえず事実だけ説明する。
「はい、銀鉱山のあると言われた山脈にドラゴンたちの様子を見に行きました。人がいたので鉱山の場所は分かりましたが、そこに向けて帝国軍の騎兵隊が向かっていましたので、その集団と鉱山の間の山肌をドラゴンのブレスで焼きました。あとは何もせずに戻って来たところです」
「そうですか……」
「帝国軍は騎兵しかいなかったので、皇国軍の一部が裏切って帝国軍に鉱山の引き渡しをするところかと思ったのですが、何か不味かったですか?」
「……いえ、もちろん帝国に鉱山を渡すことを阻止いただいて感謝しかありません」




