ロゾニアでの待機3
「あれは、見覚えもあるムスターデ帝国軍……」
帝国軍が鉱山の南から山を登って来ている姿を、上空から発見したジェロたち。
「どうするの?」
ヴァルの質問に一瞬考えてしまう。
ここで帝国軍と戦闘に入ると望んでいない直接介入になってしまうが、放置して銀鉱山を帝国が占拠することで、近くのラーフェン王国にとって脅威になるのも困る。
地上をよく観察すると、帝国軍は兵糧などの輜重部隊はいなく、通常より大きな戦馬に騎乗した騎兵ばかりに見える。
「後方支援部隊も魔法使いも居ないみたいですね。戦争に来るというより、まるで鉱山を譲り受けに来たという感じかと」
「それって、武闘派がユニオール皇国を裏切って!?」
「普通はそう思いますよね……」
「それを見逃すと取り返しが難しくなるよな。よし!」
「ジョエル、ティティ、レミ。頼んだぞ」
自分たちは上空に控えたまま、ドラゴン3体に命令を出す。
帝国軍が登って来ている山肌のそれより上の方を、ブレスで焼いてしまうのである。
「どういうことだ?ドラゴンが3体も。皇国軍の罠か!?」
「ですが、そのブレスが我々を攻撃して来ませんが」
「意味が分からない。だが、このまま鉱山には行かない方が良いだろう。いったん引き上げるぞ」
帝国軍も混乱しながら、被害を出す前に撤退して行くようである。
ただ、それ以上に混乱しているのは帝国軍に連絡していた、皇国軍の武闘派であろう。
その姿は上空からは見えないが。
「とても現状把握や待機という状況ではなくなりましたね」
「うん。急いでカステル中佐へ報告しないとね」




