ロゾニアの状況
「この街は他と同様に、基本的には騎士団の方が実権を握っています」
カストルが現状について説明を続ける。
「これは騎士団員と魔術師団員とではどうしても人数が違うことから致し方ないと思っております。衛兵も騎士団配下になりますが、我々魔術師団員には近接戦闘が得意なものは少なく、日々の街中の喧嘩沙汰などを相手にするのは苦手なのでちょうど良いかと」
「なるほど」
「ですが、今回、騎士団員のほとんどが元第3皇子であるマルキ皇弟殿下を推す武闘派として反旗を翻すとなったら話は別です」
「そうなりますよね。それで、このロゾニアの街の代官はどうなのでしょうか?」
「はい、幸いにして、と言うべきか武闘派ではありません」
「つまり皇帝派と明言もされていないのですね」
「ですが、ムスターデ帝国とはずっと敵対していたので、皇帝に対抗するために帝国と手を結ぶと言うのは理解できないとおっしゃっています」
「目的と手段が入れ替わっている感じがすると。皇国を強くしたいはずなのに、敵対している帝国の力を借りて皇帝に反旗を翻すというのは」
副官も色々と思うことがあるようで、口を出してくる。
「帝国と手を結んだという証跡はあるのでしょうか」
「国境から騎士団を引き上げております!」
副官が語気を強めてくる。
「それだけでは、皇都ナンテールに向けて皇弟を守るために兵を裂いただけ、国境防衛を少し減らしても、という話にもなりえますね。他にはどうでしょう?」
「……」
「なるほど、状況的には疑わしいですが、確証とは……」




