カステル中佐の混乱3
「ジェロ様、一通りお話しした方がご理解いただけるのではないかと」
リスチーヌに促されるので、カステルに周りの人数を減らすように目配せでお願いする。
「王級魔法の使い手4人を前に、少々の人数を減らしたところで違いはありませんから」
笑いながら、カステルが副官と思われる人物のみを残して全て退席させる。
「人払いを申し訳ありません。私はジェロマン・テルガニと申します」
「もしや、と思っておりましたが、ガニーの英雄……」
「その呼び名を使われることもあります」
「ということは、3カ国での侯爵……」
「はい、ですので単純にユニオール皇国の魔術師団員に混ざって、武闘派と戦うなどはできません」
「……理解しました。ですが、なぜ冒険者として?逆にそこまでのご支援は可能なのでしょうか?」
「私はもともと冒険者ギルドの職員でして。色々とありまして今の立場になりましたが。ですので、後方支援であれば、と」
「職員と冒険者とは違うと思いますが、そこはそうお考えなのだと理解します」
「せっかく人払いをしましたので、こちらの状況についてもご説明させていただきます」
色々とジェロ側の状況を理解されたようで、このロゾニアの状況を共有してくれるようである。
「このロゾニアの状況はかんばしくありません」
暗い顔と声で話し始めるカステル。
「まず、ムスターデ帝国はまだ国境を越えていないです。しかし、武闘派が帝国と手を結んだ気配はあるようです」
「それは……」
街の様子からも帝国軍はまだ越境していないとは思っていたが、その言葉を聞いて裏付けが取れたと安堵した表情を見たのか、カステルが良くない状況であることは念押ししてくる。




