ロゾニアの魔術師団員2
「こちらでお待ちください」
案内された応接室のソファで座って待つように言われ、おそらくカステル中佐を呼びに行ったのだと思われる。
いつものようにアルマティのみが後ろに立とうとするので、この場は貴族としてではなく冒険者パーティーの場なので、と4人でソファに座る。
「何とかお会いできそうですね」
「ま、罠ではないよね。今の段階で武闘派に何かされるほどのことはしていないけれど」
「いえ、今からお会いするカステル中佐が偽物の可能性も。すでに武闘派に捕まっていて」
「考え出したら切りがないか」
他の雑談をするような場所でもないので、それ以上は黙って待つことにする。
「お待たせしました。トルブレ団長から、とのことでしたが」
「はい。大変失礼ですがカステル中佐ご本人でしょうか?」
「あ、これは失礼しました。確かに」
先ほど案内してくれた人も今の周りを取り囲む人物たちも、皆が同じようなローブ姿であり、別人と入れ替わられていても分からない。
とはいえ、前世の運転免許証のような顔写真入りの身分証明書などをこの世界で求めることはできない。
「こちらが、カステル伯爵家の紋章になります。が、確か冒険者とのこと。あまりご縁はありませんかな。いったんは信じて頂くしかないかと」
懐から紋章がついた短剣を取り出して見せてくれるが、ジェロたちはそれを判断する知見がない。そのことにカステルも気づいたようだが、それを無礼と言わずに話を進めてくれる。
トルブレが、カステルは貴族らしい貴族ではないと説明してくれたことの証であると理解する。
「は、不勉強で誠に申し訳ありません。おっしゃるように皇国での生まれ育ちでない冒険者でございますので、ご容赦くださいませ」
特に問題ない旨で頷いたようなので、話を続ける。
「こちらがトルブレ団長からの書状になります」




