ロゾニアの魔術師団員
「今、お時間をよろしいでしょうか」
騎馬の男に雑な扱いを受けていた魔術師団員と思われる人物に、少し端の方で声をかける。
「お前たちは何だ?受付はあっちだぞ」
言い方が悪かったのか、雑用係と思って声をかけたと勘違いされたようで少し機嫌を悪くさせたようである。
「これは失礼いたしました。栄えある魔術師団員の方とお見受けしたのですが」
改めて言い直すと顔色が変わる。
「ん?何の用だ?忙しいのだが」
「申し訳ございません。カステル中佐に面会をお願いしたいのです。騎士団の方たちに気づかれないように」
後半は小声で話す。驚いたような顔でこちらを見てくるので、トルブレ魔術師団長から預かっている封書を周りからは見えにくいようにこっそりと見せておく。
「これは!分かった、ついて参れ」
背筋を伸ばして偉そうな雰囲気になった魔術師団員は、一般人は入れないと思われるエリアへジェロたち4人を先導して進んでいく。
そして周りに誰もいないところまで案内したところで振り返る。
「失礼いたしました。まさかトルブレ団長からの使者とは。ご指示のように騎士団に気取られないような態度を取りましたが、ご無礼をご容赦ください」
腰からしっかり下げて謝罪の旨を示してくる。
「いえいえ、とんでもないことです。こちらこそ突然のお願いで申し訳ありません」
「それで、カステル中佐へのご用ということでよろしいのでしょうか?」
「はい、できればご本人とお話しできますと」
「このご時世ですので、申し訳ありませんがお名前と身分を確認できるものをご提示いただけますか?」
「冒険者のテルガニと申します」
魔銀級Sランク冒険者の証を提示すると、一瞬は驚いた顔をするがすぐに素の顔に戻る。
「承知しました。ご案内いたします」




