ロゾニアの街3
「武闘派にバレるかもしれないけれど、正面から行ってみるしかないか」
夜中に忍び込むことが失敗した以上は、街で魔術師団員を探して声をかけるか、団員たちがいる敷地を訪ねていくしかない。
「一応は団長からここの中佐への手紙を預かっているのだから、本当は後ろめたくないのだけど」
「でも、武闘派に知られると面倒かもしれないですよね」
「魔術師団にも武闘派がいるかもしれないのが面倒なのよね……」
再び街の中心部にある行政地区に向かうジェロたち。
「ここでも騎士団員は何故か偉そうですね。うちの家臣団とは違って」
テルガニ侯爵家は当主であるジェロが魔法をきっかけに成り上がっている上に、幹部も魔法使いである。そして騎士団は戦争奴隷が中心なので、いま目の前で見ているような感じにはならない。
しかし、魔術師団員の方が明らかに上位であったのはルグミーヌ王国くらいで、コンヴィル王国でも魔術師団員の肩身は狭そうであった。
「ほら、ローブ連中はもう少し端を歩け。馬が通れないだろうが」
騎士団員と思われる騎乗した人物が、背丈より長い木製の杖を持ったローブ姿の魔術師団員と思われる人物に強く当たっている。
自分たちのように一般人が入ることができるエリアでも、このようなあからさまな行動なのである。
「ジェロ様」
「そうだね」
リスチーヌが合図をして来たように、この扱いを受けている人物が騎士団員を中心とする武闘派とは思えないので、そのローブ姿の人物に声をかけてみることにする。




