ロゾニアの街2
「衛兵ということは騎士団、ひいては武闘派に繋がる可能性がありますね」
「あぁ、そうなると面倒だな。今のうちに魔術師団の方に連絡をとりに行こうか」
いったんは引いた素ぶりをした衛兵の兵長。他にも尾行しているものがいるかは、ヴァルも気づいていないので、このタイミングで魔術師団の団員につなぎを取りたい。
「まずは街の中心部にある支配階級の設備に向かおう」
平地の街であり、中心部にそれらの建物が集中していることは事前に把握していた。もし斜面の街ならば、見下ろすための高い方にそれらがある場合も多いだろうが、ここでは背の高い建物も中心にある。
「こんな堀があって、一般人があの城門を通るには理由が必要ですよね」
「うん。観光で来ましたと言えるのはここまでか」
「夜まで時間をつぶしてこっそり夜中に潜り込みましょうか」
近くで馬の停められる食事処を探して、この辺りのおすすめ料理を楽しむことにする。
そのあとはいつものように魔導書や魔法カードの店舗を探すが、残念ながら未修得の魔法はなく、カリグラフィーが珍しい魔法カードを買い漁るだけとなった。
「じゃあ、行こうか」
宿屋の窓からこっそりと≪飛翔≫で抜け出すジェロたち。
「流石に前線だからか、夜の篝火も多いですね」
昼間に見た堀を越えようにも明るすぎるので、見つからないように≪夜霧≫で視界を遮った上で敷地に忍び込む。
「ピー!」
「え?警報音?見つかった!?」
どうやって見つかったかも分からないが、騎士団や魔術師団があちこちで声を上げている感じがある。
「結構しっかりした警備なのね。やっぱりラーフェン王国などを占拠していた帝国軍とは違うわね」
「今の状態で何を言っても信じても貰えないわよね」
慌てて宿まで逃げ帰って、その日は大人しくするしかない。




