ロゾニアの街
「流石はこれだけ栄えているロゾニアの街。簡単に戦馬も4体、買えましたね」
従魔屋で購入した戦馬に乗って移動しているジェロたち。
「しつこいわね」
「あぁ、ずっと尾行されたままだな」
街に入る際にSランク冒険者であるとバレてしまったので、そのときの衛兵なのか、たまたま耳にした面倒なヤツなのか。
少し狭い横道に戦馬4体で移動したあと、そのまま戦馬には前に進ませながら、先頭を進んでいた自分だけは上空に≪飛翔≫する。
「何の目的か教えて貰おうか?」
その横道にも追いかけて来た尾行者の背後にこっそり降り立ち、鞘がついたままの短剣を背中に押し当てる。
「うわ!……流石は魔銀級、Sランク冒険者ということか」
「やはり城門からつけて来たか。何者か名乗って貰おうか」
さらに短剣を強く押し当てる。
「俺は単なる衛兵だ。これ以上余計なことをすると逆にお前たちのほうが立場が悪くなるぞ」
「ほぉ、その証拠を出して貰おうか。ゆっくりだ」
確かにこのロゾニアの街の衛兵で兵長の職らしいことが書かれているが、この街が初めての自分たちでは本物か区別はつかない。
「では兵長さん、一般冒険者の俺たちをつけ回すのはこれくらいで終わりにして貰えるかな?俺たちも気分が良くないんでな」
「そうだな。ただ、この街で何か悪さをすればすぐに捕まえてやるからな」
「俺たちを捕まえるのは至難だと思うが、そもそも住民に悪さをするつもりはないぞ」
流石に衛兵と喧嘩をするわけにいかないので、短剣は懐にしまって解放するが、またどこかで尾行されているかもしれない。




