皇国南方3
「まずは冒険者ギルドですかね。その身分で街に入ったのですし」
リスチーヌの言葉の通り、宿を確保する前にまず冒険者ギルドに向かう。
ここでは目立たないようにリスチーヌの銀級の身分証で受付と話をする。
「よくこんな時期に来ましたね、と言われてしまいました。やはりこの街の武闘派が皇帝派に反旗を翻そうと動いている噂があるようですね」
「ムスターデ帝国との動きは?」
「それはあまり無いようですね。この街は皇国でも国境手前の街なので、城壁があのように頑丈で戦争に備えていますが、日頃と何かが変わったというように思ってはいないようで」
「では、次は宿の確保ですね」
城門で身分証を見せて目立ったので、誰が尾行しているか分からない。そのため、まずは上位冒険者らしい行動として、ギルドにも行ったし、次は高めの宿に向かう。
「これがギルドおすすめの高級宿らしいです」
「いや、これは流石に」
「何をおっしゃるのですか。ジェロ様ならこちらでも不足ですよ」
リスチーヌに背中を押されて宿に入るが、流石は大国ユニオール皇国でも有数の街で高級といわれる宿である。
いくら1億円相当の魔銀貨を何枚も簡単に手に入れることができるようになっても、1人1泊で金貨、100万円相当を支払うことにはかなり抵抗感がある、もともと小市民のジェロ。
「今は演技のための必要経費でもあるのですから」
「そうだな」
部屋に案内された後にリスチーヌに念押しされているジェロ。
「じゃあ、次は馬でも買いに行きましょうか」
まだまだ元気があるリスチーヌ。




