皇国南方2
広大な農業地帯に驚きながら南下していたジェロたちは、目的のロゾニアと思われる街を発見する。
「このまま街にドラゴンを連れて行くわけにいかないですよね……」
「ユニオール皇国、ラーフェン王国、ムスターデ帝国の3ヵ国の国境あたりは山があるようだね。ここまでは平原だったけれど」
光魔法≪望遠≫も使いながら、高度から見渡したところ、ドラゴンを待機させておく場所を見つける。
「国境とは言っても山ならば軍隊もいるわけではないだろうし、また適当に狩りをしておいてくれ」
ジョエル、ティティ、レミの3体にはそちらに向かって貰いながら、自分たちは人目につかないように街から離れた場所で地上に降りる。
「戦馬を連れて来ていないので、徒歩で進むしか手段がないのが微妙におっくうですね」
「でも、たとえ地上付近とはいえ≪飛翔≫みたいな速度を出すと、どこから見つかって面倒ごとに繋がるか分からないですから、仕方ないですよね……」
リスチーヌたちの会話に苦笑いしながら、4人で歩いて街に向かう一行。
「なんだ、お前たちは?」
街の北門の衛兵に問われて、4人とも冒険者の身分証を提示する。ジェロは各国の侯爵の身分証では面倒になるし、コンヴィル王国の冒険者ギルド職員の身分がこのユニオール皇国の南部の街で通じると思わない。
「な!魔銀級!?Sランク?」
「何かと運が良かったもので」
「そうか。これだけ美女ばかり3人というのも納得するが、なんで徒歩だ?怪しい」
「そういう訓練がてらだったのですよ。流石に疲れましたから、この街で馬でも調達したいと思っているところです」
衛兵にしても、各国で往来自由となっている冒険者を引き止める理由はないので、街には入れて貰える。




