皇国南方情勢3
「ハポリエル、手紙の配達をお願いできる?」
テルヴァルデに残してきた、ラーフェン王国の王女であるモーネ、そして冒険者仲間で今は側近となるイドと、貴族関係のやり取りを学ぶために譲られた奴隷のマドロール。
彼女たちに現状を知らせる手紙を書く。
「本当はレナルマンたちにも話がしたいけれど、この事態だから後で」
「そうですね。その意味では、ラーフェン王国、ベルカイム王国、そしてコンヴィル王国それぞれにも報告が必要でしょうね」
「う……モーネたちと決めた結論を報告することにしようか」
「ジェロ様のお考えの通りに。おっしゃるようにジャムス陛下をご支援される方が平和のためと思われますが、どうかご安全に。また、各国にも通知だけはされた方が良いかと」
モーネからの返事の手紙は簡潔にそのようなことが書かれていた。
「じゃあ、まずロゾニアに向かうことは確定で良いですね。となると、各国へのご連絡はどうしましょう?」
「≪飛翔≫で使節団を追いかけても良いけれど、それだと戻って来て明日に魔術師団に訪問するのは難しそうかな」
「そうですね。そうなるとやはり、使節団の集団はハポリエルに追いかけて貰って、手紙をお渡しするのが良いでしょうね」
「急に悪魔が現れると驚かれるでしょうから、こっそりとテルガニ家の封蝋がされた手紙を置いておくのが良いでしょうね」
「それでも驚かれるだろうけれどね」
「その程度であれば、ジェロ様らしいと思われるだけかと」
苦笑いになってしまうが、そうかもと認識をして、手紙を書き始めるジェロ。
ラーフェン王国はルネリエル国王に直接、ベルカイム王国では宛名はアンネ女王、ヒルデリン国王としておきつつ魔術師団長のプランケット経由で伝わるように、コンヴィル王国としては外交官のムラン伯爵、そしてルグミーヌ王国はメンヒルト王女に向けて書く。




