ポーション納品2
「テルガニ侯爵、やはりあの数は難しかったということでしょうか」
軽い挨拶の後に着席したトルブレの発言である。
「え?いえ、そのようなことは」
「しかしお願いしたのは3日前。もうしばらくしてから、取り掛かり状況を伺いつつ納品方法について相談する使者を送るつもりでしたが」
「いえいえ、ご指示いただいた数を持参いたしました。こちらをお借りしますね」
周りで警備している団員たちを刺激しないように、魔法の収納袋自体もゆっくり取り出し、そこからポーションを納めた箱を取り出す。傷回復用と魔力回復用を順次取り出し、応接セットのテーブルの上に並べていく。
「こちらご指示いただきました傷回復と魔力回復のポーションになります。もちろんいずれも品質は特級になります」
傷回復と魔力回復のそれぞれ1箱の蓋を開けて、中のポーション用ガラス瓶を1つずつ取り出してテーブルに置く。
「本当にこれが全て特級なのですか?」
「はい、もちろんです」
確かに、先日に戴冠式の後のパレード騒動が終わった後のお祝い納品の数に比べたら多いのはわかるが、それほど驚くことでもないと思っているジェロ。
1瓶が金貨5枚、前世感覚で500万円とは言っても、これだけの大国の軍のトップが何十億円や何百億円という発注をそこまで気にするとは思えない。
「念のために鑑定を行なってもよろしいですかな」
「はい、自分でも行なって来ましたが、万が一のこともありますので、どうぞ」
流石にすり替え詐欺のようなことをするとはお互いに思っていないだろうが、同じ部屋に鑑定士と思われる人が呼ばれて、別のテーブルに移動して一箱ずつ鑑定しているようである。




