皇都での呼び出し3
「テルガニ侯爵、あらためてご紹介させてください。魔術師団長のモーセ・トルブレです」
皇帝ジャムスが1人だけ残したのは皇国の魔術師団長であった。
「は、ジェロマン・テルガニでございます。閣下には、ラーフェン王国への支援のお願いに伺ったおりに謁見の間で」
慌てて席をたち、90度に上半身を曲げてから、以前の縁を話しだすジェロ。
「テルガニ侯爵。落ち着いてください。この場はそのような場ではありませんので」
改めてジャムスが座るように指示をしてくる。
「それにあのときにはモーネ王女、ヒルデリン王子以外はせいぜいムラン伯爵が顔を上げていたくらいでしたよね。トルブレも顔を覚えていないでしょう?」
「は。ですが、そのラーフェン王国のモーネ王女と結婚されたのがテルガニ侯爵と認識しております」
ジャムスが笑い話とするが、堅物な雰囲気のトルブレは笑いもせずに返事を返す。
「そうですね、そのモーネ王女とご結婚されたテルガニ侯爵ですね。王女はご懐妊とのことでこちらに来られず残念ですが、ご懐妊おめでとうございます」
「は、ありがとうございます」
ジャムスは流石にそれらの情報は手にしているようである。
「陛下」
「そうですね。テルガニ侯爵、この度は大量の特級ポーション、大変助かりました」
「え?」
「もちろん我が国にもポーションの在庫はありますが、あれほどの数の特級は皇城にはありませんでした。おかげであの日に怪我した者たちも回復することができました。特級は高級の指欠損どころか臓器欠損レベルまで治療できるものですから」
「もし皇国の皆様に少しでもお役に立てたのでしたら幸いです」




