皇都ダンジョン高速攻略2
「まずはCランク魔物からの卒業ですね」
リスチーヌは目標を示してくる。オーク肉がしばらくの目的であったので、オークばかりが出現する14階の攻略までしかしていない。
この皇都ダンジョンは10階まではEランク、20階まではDランク、30階まではCランクというように魔物の強さも階層ごとに決まっている。
「いやいや、まだ14階のクリアしかしていないのに、31階に?」
「行けますよ、このメンバーならば」
確かに≪飛翔≫できる4人、しかも追加で悪魔リバイモンとハポリエルを召喚して手分けすればボスを見つけることも、しかも見つけたものがボスを倒すことも容易なのはわかる。
「でも、誰かが倒しても3時間たたないとダンジョンから放り出されないよね?ボス横の外に出る転移陣の場所が分からないんじゃない?」
「そこは大丈夫ですよ!裏技を聞いて来ました。ボスを倒したときに出てくる転移陣に入るときに、攻略完了、皆で出ると意識すれば遠くに離れた仲間も一緒に排出されるそうです」
確かにそのような方法があるのであれば、手分けしてボスを探して、倒したところで攻略完了と意識すれば良い。
「そういえば、リバイモンとハポリエルはこのダンジョンの攻略証明の水晶を持っていないから、手分けの役に立たないよね?」
「あ、確かに。それに冒険者の証明がないと水晶を貰えないですね」
「いっそ、私みたいに冒険者の登録をすれば?」
ヴァルも人型で生活することになってからは冒険者の登録をしている。対人戦の裏条件を証明できていないので鉄級ではあるが。
「ほぉ、こういう場所もあるのか。Sランク魔物の階層もあるのか?」
「噂では、ずっと奥の方にあるらしいわよ」
リバイモンは山脈のドラゴンたちを相手にするのも飽きたのか、自分だけでもここのダンジョン攻略を進める楽しみを見つけようとしている気配である。
すぐにリバイモンとハポリエルを木級冒険者として登録し、このダンジョン攻略のための水晶も入手する。




