皇都ダンジョン高速攻略
「大丈夫ですよ、この屋敷に連絡が来ればちゃんと伝わりますから」
リスチーヌは、モージャンのダンジョン探索が中途半端に終わってしまって以降、何かあるとジェロとダンジョンに行きたがる。
確かに、ヴァル、リスチーヌ、アルマティとの4人であれば魔物も簡単に蹴散らすことができる上に、≪飛翔≫で先に進むのも簡単である。
さらに皇都ダンジョン、ナンテールダンジョンは皇都から馬で1時間ほどの場所にあり、各階層は3時間の制限時間付きである。そのため、日帰りでダンジョン探索することも可能である。
「じゃあ、しばらくは山のほうで狩りでもしておいて」
皇都の外の駐屯地から騎士団たちが帰国したので、ドラゴンのジョエル、ティティ、レミの3体だけを留めておく必要もない。皇国内はあまり良くわからないが、人のいないところへ行ってもらう方が、住民の迷惑にならないであろう。
自分たち以外の使節団が帰国するのを見送った後、ドラゴン3体に自由にするよう指示をすれば、ジェロたちがダンジョン探索をすることをはばむものは無い。
ジェロが魔法カードの店に行きたいと言う気持ちくらいであり、それは出発前に立ち寄ることで解決してしまう。
「各国の使節団が帰国を始めましたので、冒険者ギルドからの肉提供の依頼も気にしなくて良いですよね」
「そうだね。もうオークの階層の連続攻略は要らないよね」
「では、どんどん深く潜るようにしましょう!」
リスチーヌは冒険者として、どれだけ深い階層に進んだか、ということにこだわりたいようである。
ヴァルとジェロも仕方ないという顔でお互いを見る。アルマティは奴隷ではなくなったが、皆のやりたいことを優先する思考は変わらないようなので、特に意見もない。




