戴冠式後の使節団3
「そうですか、テルガニ侯爵はもう少し残られると」
「はい、皆様、どうかお気をつけて」
もともと皇都ナンテールに一緒にやって来たラーフェン王国、ベルカイム王国、ルグミーヌ王国、コンヴィル王国の4ヵ国の使節団。
帰りもリブルドーの街までは一緒に、となった。
使節団から抜けたのは、ジェロ、ヴァル、リスチーヌ、アルマティ、そしてドラゴンのジョエル、ティティ、レミの3体だけである。
「ムラン伯爵、どうか王都ミューコンの皆様にもよろしくお伝えください」
「はい。テルガニ侯爵も、おそらく大丈夫でしょうが、ご無理をなさらずに」
「こんな楽しそうなときに戻らないといけないのは残念だが」
「ヴァランタン伯爵ならそうかもしれませんが、ムラン伯爵たち外交官の皆様の護衛をどうぞよろしくお願いします」
「ま、宮仕えの辛いところだな」
ヴァランタンの副官であるラプラード子爵にも護衛を念押ししたので、コンヴィル王国の使節団に対しても問題はないと思われる。
「では、テルガニ侯爵、どうぞよろしくお願いします」
ベルカイム王国のプランケットからも念押しをされてしまう。
「はい、どのような立場でお役に立てるか、その機会もないかも分かりませんが」
「そうですね、冒険者としての立場になるかもしれませんね。ただ、テルガニ侯爵が残られているということが、我ら4ヵ国の気持ちであるとジャムス陛下にお伝わりすれば」
リスチーヌの言うようにプランケットには良いように使われているとは思う言葉であるが、ラーフェン王国からムスターデ帝国を追い出すきっかけとなる軍勢を出してくれたのは実質的にジャムスであり、自分たちができる何かがあるならば、という気持ちもある。
「ジェロ、それよりも退屈な馬車での移動が嫌な気持ちもあるでしょう?」
「ヴァルには勝てないな……皇都で待機して何もなければそれが一番だよな」
「ジェロ様、それでしたら私たちだけでダンジョンに行きましょうよ!」
リスチーヌの提案もわかるが、連絡がつかなくなって良いのだろうか。




