皇都外戦闘の後
「それは。お気遣い、誠にありがとうございました」
皇城で勝手に名前を使って特級ポーションを納めてきたことが問題になってもいけないので各国に伝えてある。
特にルグミーヌ王国に関してはジェロは何の立場もないのでメンヒルト王女の名前を告げて来たことを、同じ拠点にいることから対面で王女に報告する。
「いえいえ、プランケットさんから誘われなければ気付けなかったことですので」
「それにしても、あの数は驚きでしたね。各国も皇国の幹部たちも、新皇帝は武闘派を完全に子供扱いしたと認識したということでしょうか」
現地を見たリスチーヌの発言に対して、メンヒルトは微妙な顔をする。
「そのような簡単に済む話でしょうか。仮にもこの大国であるユニオール皇国を二分すると言われていた武闘派。一度や二度の襲撃失敗で判断してよろしいのでしょうか……」
「流石は王女殿下。まだ注意しておきましょう」
ジェロもその場ではそのように発言しているが、正直なところ武闘派はもう終わったと思っていた。
「ジェロ、その武闘派の第3皇子はどうなったか知っている?」
「いや、その元皇子マルキ殿下も一緒にパレードしていたはずだし、皇都を出たところでの戦闘に巻き込まれたとは思うけれど……」
ヴァルに言われて気になったので、皇都ナンテールで働いている、マドロール配下の裏部隊に調査を頼んでおく。
「テルガニ侯爵。特級ポーションの件、陛下からお礼とそのポーションの代金です」
ジェロに親しくしてくれている、ラーフェン王国のレーハーゲル魔術師団副団長がやってくる。
「それと、お耳に入っておりますかな?」




