皇都外戦闘の結果3
ベルカイム王国のプランケット魔術師団長の圧に逆らうことができず、一緒に登城することになったジェロ。
寝起きだったこともあり、身だしなみを整えてからベルカイム王国の屋敷に向かう約束をすることで、いったんプランケットに帰って貰う。
「流石はプランケット様ですね」
本当にごますりというか、他人の機微にさとい男だと思う。
「しかし、ベルカイム王国の侯爵として誘われたのか、コンヴィル王国の使節団の正使として誘われたのか分からないな」
「どちらでも、ということでジェロ様に恩を売ったのではないでしょうか」
「はぁ。ラーフェン王国とルグミーヌ王国も誘うかは任されたのだよね」
「そうですね。ただ、ベルカイム王国としては、ユニオール皇国に関することは一歩先んじておきたいという気持ちはあると思いますが」
「……仕方ない。ベルカイム王国の貴族として行くことにしよう」
「ま、いったんはそのつもりでも、現地で様子見をするのでも良いですかね」
自分の馬車でベルカイム王国の屋敷に向かい、そこで合流したプランケットの馬車と2台で登城する。
しかし城に近づくにつれて他にも多くの馬車が城に向かっていることに気づく。
「これって……」
「各国だけでなく、皇国内の各貴族も勝ち馬に乗ろうとしているのでしょうか」
馬車を降りて案内されたところでは、受付らしきところで名前の記帳と持参した品の目録を渡すだけで追い返されている感じである。
「仕方ないですね。これに参列した旨だけでも記録して貰うことで良しとしましょう」
プランケットが何を献上したのか分からないが、ジェロにすると昨日に怪我をした人にも使えると思われる特級ポーションくらいしか思いつかない。
「良いと思いますよ。それにそれでしたら各国の立場としても提供しやすいですし」
リスチーヌの賛同もあったので、ベルカイム王国の立場だけでなく、コンヴィル王国、ラーフェン王国、ついでにルグミーヌ王国の名前で、それぞれポーションを提供する。




