皇都外の戦闘3
戴冠式の後のパレードで皇都を通り抜け、皇都の外に出たところで襲撃を受けた新皇帝ジャムス。
こう着状態になっていたところへ、遠くから万の規模の騎馬集団が向かってくる。それを確認すると、今度は迎えうつ軍勢もあちこちから湧き出てくる。
別の城門から来た騎馬集団も数千以上いるように見えるが、それ以外の近くの集落からぞろぞろ出て来たローブ姿の魔法使い、大きな木製の投石器を引いた歩兵、大きな長弓を手にした弓兵、それらも足すと千を超える規模に見える。
「これは分からなくなったわね」
「確かに。長距離を駆けて来た単なる騎馬集団よりも、それを食い止めたところで色々な攻撃をできる守りの方が優位に思えるね」
「では、やはり様子見ということですね」
おそらく武闘派と思われる騎馬集団は、速度重視のためか軽装備であることが近づいてくると分かる。全身が金属鎧ではないだけでなく、両手で手綱を握っているので背中か腰に装備した剣くらいが武器なのだと思われる。
それに対して、迎える側の騎馬集団は全身が金属鎧なだけでなく大きな盾、そしてランスと呼ばれる長柄の槍を装備している。
魔法使いや弓兵たちは近くに隠れていたことを活かして既に陣を確保している。その後方に金属鎧の騎馬たちが集結している。
「え?反対じゃないの?」
「よく見ていたら分かるわよ」
ヴァルの言うようにしばらく見ていると、遠くから来た騎馬たちが到着しそうなタイミングで、歩兵たちをすり抜けて駆け出した騎馬たちがそれを迎え討つ。
それなりの速度を得た金属の騎馬が、長距離を駆けてきた軽装の騎馬にぶつかるのである。
その結果は明らかであるが、数は守勢の方が少ない。しかし衝突で負けた騎馬たちが倒れそれ以上は行軍できなくなっている。そこに魔法、投石、矢の攻撃が加えられる。




