戴冠本番2
式典会場での戴冠の後は、皇城のテラスから皇国民に対するお披露目であるが、流石に外国の代表までがその場に同席する広さはない。
皇城の別の場所からその姿を見ることができる場所に移動するよう案内をされる。
ここには各国からの代表を中心とした関係者と、皇国側が用意した警備のものだけになる。
「会場から出てきた皆さんが、口々に驚いたという言葉を使われていましたが」
そこに移動する際にリスチーヌが話しかけてくる。
そこで近くにいたヴァルとリスチーヌに先ほどの、襲撃者を簡単に撃退してからの、迫り上がっていく舞台での戴冠であったことを伝える。
周りの参列者たちも同様に、一緒に来ていた同行者たちに中で起きた様子を伝えているようである。
「それは本当に武闘派の襲撃だったのでしょうか?それとも演出?」
「正直、演出かと思うくらいのあっさりした感じだったよ。参列者たちも自分たちの身が危ないと思う間もないくらいだったから。あれが本物の武闘派の仕業だったとしたら、完全に手のひらで踊らされたと怒り心頭だろうね」
「そうだったとしたら、本当にいつどのように襲撃があるかの情報収集がされて、完璧な対策をうっていたと言うことですよね」
ジェロは、式典が始まる前に武闘派のアルノワ伯爵が騎士団に指示をしていたことを思い出す。あれは騒動が起きたときの対処を指示していたのだろうか。その騒動も起きることもないままテロ行為を鎮圧されてしまったのであれば、武闘派が次はやぶれかぶれな手段をとることも心配される。
そんなことを考えていると、ジェロは目の前の歓声で我に返る。




