皇帝戴冠式の直前2
皇城での戴冠式では、先帝の葬儀のときと同様に他国の代表者たちは近くに集まるような配置が決まっているとの説明を受ける。
葬儀会場ほど大きい場所ではないため各国は代表1人ずつであり、それ以外の者は離れた場所で、しかも中の様子が見えないところに分かれることになるとのこと。
お焼香のように1人ずつ前に出ていくこともないので、移動のための通路も確保されていないようである。
「なんか息苦しい感じになるかな」
「もしかすると待つ間はそうかもしれませんが、始まってしまったら式典の方に意識が集中するので大丈夫じゃないですか」
「そうだと良いのだけど」
リスチーヌと雑談を交わしながら待機していると、ラーフェン王国のルネリエル国王やベルカイム王国のアンネ女王とヒルデリン国王もやってくる。
元々ルグミーヌ王国のメンヒルト王女は隣にいたので、またしても皇国の西方4カ国が親密にしていることを、他国に対してアピールしているようである。
「先日ぶりですね。その間に、解放軍の方との挨拶や、オークとハイオークの肉の差し入れなどありがとうございました」
その状態でルネリエル国王が頭を下げようとしてくるので、恐ろしい。慌てて止めたところで、ヒルデリンたちもジェロに寄ってくる。
「お肉、美味しかったよ」
「ハイオークのお肉を食べ放題とは、本当に贅沢な限りでした。ありがとうございました」
この2人まで自然に頭を下げようとするので、幼い子供としては良いことだが、ともに国家トップとしての自覚を持って他人の目を気にして欲しい。
慌ててジェロはしゃがんだ上で、話しかける。
「大丈夫ですよ。しかも肉を持参したのはクリノームとベルフールの2人ですよね」
「あの2人はジェロマン侯爵の配下。しかも2人にダンジョンのことを教えて手引きされたのは侯爵ですよね」
アンネ女王に正論を言われて反論できないまま、頭を下げるしかないジェロ。




