先帝の葬儀後2
クリノームとベルフールと話していると、そこにアンネ女王、ヒルデリン国王、プランケット魔術師団長というベルカイム王国のトップが集まってくる。
「ジェロ!」
各国の目もあるからか、流石にいつものように抱きついてくることは無いが、ヒルデリンはジェロのすぐ前まで駆け寄って来る。
それこそ他人の目もあるので、ジェロはひざまずいた振りで目線を合わせる。
「葬儀式典、お疲れ様でした」
「ジェロも、ね。クリノームたちと何を話していたの?」
「あ、少しこの皇都での食事のことなど」
どこまで子供2人が認知しているか分からないので、嘘でない程度にはぐらかせた上でプランケットの顔を見る。
彼はその言葉だけで状況を察知したようである。
アンネ女王とヒルデリン国王の2人を、式典でお疲れでしょうと言って馬車に向かわせた上で話しかけてくる。
「皇都は人が集まっているので食材が不足気味と聞いております。我々は元々屋敷もあり、少しの備蓄はしておりましたのですぐには困りませんが、余裕もなく。ですが、テルガニ侯爵がお困りでしたら喜んでお分けしいたします」
「ありがとうございます。ですが、我々も大丈夫です。皇都ダンジョンに潜って食材確保していた旨を彼女たちに話していたところでして」
「流石はテルガニ侯爵。そうですな、この2人がダンジョンに行って確保していただけると我が国としても助かりますが」
「どうする?2人は」
プランケットの了承が得られているのであれば、護衛としての仕事も現場で不安があるわけでは無いので、ダンジョンに行くという2人。




