皇都での待ち時間2
「皆にはそういう話になったよ。コンスタンもメンヒルト王女とゆっくりしてね」
皇都で待ち時間ができたので順番に話をしているのだが、コンスタンには妻の相手をするように言ってみる。
「ありがとうございます。魔術師団員になった元ルグミーヌの女性たちや侍女たちと皇都の店を見てまわりたいようです。流石に大国の中心地なので、田舎者の自分たちと服装が色々と違うと言っていました。何が違うのか全くわからないのですが」
「そうだよね。俺もわからないよ。でも、そこは素直に従っておいた方が良いと思うよ」
「ですよね……」
リスチーヌがこちらを向いていないことを確認した上で、コンスタンとの会話を続ける。
テルヴァルデから来た従業員たちにも、小遣いを渡しながら交代で休憩をするように告げる。
「ありがとうございます!テルヴァルデに持ち帰って広められるものを探しますね」
ここにも仕事人間がいたようで、休みは休むように言ったものの、きっとそうはならないのだろうと、ため息をついてしまう。
「せめて不摂生だけはしないようにして貰えたら……」
「あら、前世の反省?」
「あぁ。ヴァルには話していたよな」
「そうね、この生活をしていたら十分だと思うわよ。彼らも良いようにするわよ」
「そうだな、そう言う俺たちもちゃんと自ら休憩することを見せないと、な」
そう言って言い訳かのように、ヴァルとリスチーヌを連れて魔法カードの店に行き、カリグラフィーの好みのものを買い漁るジェロ。
リスチーヌに連れられて入った服飾の店には、女性魔術師団員に連れられたアルマティが戸惑いながら服を選んでいたので、日頃のお礼として少し派手目の服をプレゼントするなど、休暇を楽しむのであった。




